咲き誇れ。

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アイドルに負けて悔しい、と思うこと。

ジャニーズJr.内ユニットSnow Man阿部亮平くん、ジャニーズJr.の岸本慎太郎くん、気象予報士試験合格、おめでとうございます。心からのお祝いを申し上げます。

A.B.C-Zの舞台を観に来ていたSnow Manのメンバーからの第一報が嬉しかったのは言うまでもない。けれど、それより何より嬉しかったことは、このニュースがマスコミでも大きく取り上げられ、翌日すぐに二人がワイドショーに出演したことである。

まだCDデビューさえしていないジャニーズJr.が、異例のテレビ出演。天気予報士の方の中には新しい波だとコメントや記事を書いてくれた方もいた。世界が動いたと思った。

資格を持っていることがきっと武器になる、と思って試験を受けたと言う。そしてそれが自分のユニットを有名にする、そしてデビューへと繋げるきっかけになれば、と。大学に通いながら、舞台やコンサートで全国だけじゃなく海外まで廻りながら勉強をして勝ち取った合格。それがニュースになり、テレビに出る。それは、彼らが自分の意志で積み上げてきたものによって、彼らが狙った通りに、世界が動いた瞬間だったのではないかと思う。

以前にも同じようなことがあった。NEWSの加藤シゲアキが、ジャニーズで初めて小説を書き出版した。処女作「ピンクとグレー」はその後映画化が決まり、来年1月公開される。彼は、メンバーの脱退などによりそれまで活動が行き詰まっていた自分のグループに還元するために、この小説を書いたと公言している。事実、このことはグループ名ともども加藤シゲアキの名を再び有名にすることに少なからず貢献した。

でもこの件はただの一例でしかない。実際のところ挙げていくとキリがない。近年は特に様々な分野でデビュー組、ジャニーズJr.問わず、ジャニーズタレントたちが思いもよらないような新しい道を切り開き、ジャニーズの裾野を広げている。

ただし、新しい道を切り開く時、そこにはいつも困難がある。私は今回ニュースになった阿部ちゃんと岸本くんの二人が、それぞれ5度目と4度目の受験で合格したということに大きな感銘を受けた。というのも、難しい試験なので当然と言えば当然なのだろうが、1度では受かっていなかったのだ。どうやら二人とも選ばれし超人的な天才、と言うわけではなさそうだ。けれど、二人とも1度では諦めなかった。恐らく想像を絶するような忙しさのなかで、2度目でも3度目でも諦めなかった。そして今に繋がった。このことが、嬉しいという感情とは別に起こさせるもう一つの感情がある。

それが、「悔しい」だ。

私がTwitterを見てこの報せを知ったとき、同時にたくさんのファンの歓喜に満ちたツイートを見た。さらにこの祭り(?)に乗っかって二人の魅力を宣伝しようというなんとも健気で現金なツイートも数々あったところはとてもジャニヲタらしい。そして、そんな中に紛れて少なくなく目にした呟きが「悔しい」「自分も頑張ってたつもりだったけど負けた」「足許にも及ばない」という嘆き、そして「自分ももっと頑張らなきゃ」「彼らに見合うファンでいられるように」というファンの決意だった。

ほんの最近まで、男性アイドルはファンに現実離れした夢を見させてくれる存在だったような気がする。いつも笑っていて、いつも綺麗。きっとトイレにも行かない(笑)。彼らはもしかしたら、ファンにとって、自分が今いるつまらない現実から、どこか遠い世界へ連れ出してくれる白馬の王子様だったかもしれない。アイドルはかつて、キラキラした非現実の世界を見せてくれる完璧な虚像だった。

けれど、「悔しい」と呟いたファンにとって、アイドルはたぶん現実世界のライバルだ。

天は二物を与える、と阿部ちゃんと岸本くんを称賛して言って下さった気象予報士の方がいた。でも、それは違う。実際には、天は彼らに二物を与えていない。彼らはいつも笑ってばかりでも、綺麗でもない。自分が生き残るために巧妙に策を練り、泥と汗にまみれて努力していた普通の青年だった。だからこそ、悔しいんだと思う。たとえ一方的でも同じ現実世界の土俵で戦って負けたのだ。努力の末に二物を勝ち取った彼らの姿は本当にまぶしい。真の意味で夢と希望を与えてくれる、紛れもないアイドルだ。

ファンが抱く悔しい、という感情。なんて面白いん感情だろう、と思った。なんて面白くて素晴らしいんだって。

繰り返しになるが、全てファン側の一方的な感情であることは承知の上ではある。でも、アイドルが等身大の自分自身を以てしてファンに刺激をくれて、ファンに現実逃避ではなく自分の人生と向き合ってがむしゃらに生きていくための活力をくれるのなら、そんなに良いことはないんじゃないだろうか。若者が自分の将来に夢を見ることが難しくなった今の世の中、中にはそんなアイドル像があったっていい。そんな個人的な願望だけここに書き置いておきたい。

改めて阿部ちゃん、岸本くんおめでとう。お二人の天気予報を一日の終わりに見られる日々が来ることを心待ちにしています。