YOLOmoment発売を記念してTravis Japanについて書いてみた。
2015年4月22日。1つの奇跡がこの世界に生み落とされた。
中山優馬『YOLO moment』発売。
PVには、ジャニーズJr.内9人組ユニットTravis Japanが参加している。この9人と中山優馬を合わせた10人を俗にゆまトラと言ったりもするのだが、冒頭に書いた奇跡とはこの10人が集まることを指している。集まるだけではない、ただただ楽しそうに騒いではしゃいで、それが1つの作品として映像に残された。今日はそんな記念日としておこう。(勝手に)
そして、そんな記念日に改めてTravis Japanについて書き残しておこうと思う。ダンス選抜で集められた彼らは、PLAYZONEに4年間出演した。9人になった初年度から彼らの変化を見ることが出来たことは本当に幸運だったと思っている。そして知らないうちに、いや気づいていたけれど知らないふりをして過ごしているうちに引き返せない地点まで来てしまった。すなわち彼らの、得体の知れないほど大きく、そして未来へ果てなく広がる未知数の魅力にどっぷり浸かった私から見たTravis Japanをここに記しておく。
まずは俗に兄組と呼ばれる年長組から。
【仲田拡輝】
私は彼をしばしば「深窓の美少年」と形容する。沖縄出身だからか、少しだけ異国の香りも漂う端正な顔立ちでステージ上に黙って立っているときの拡輝はまるで少女漫画に出てきそうな美少年なのだ。
それが、ひとたび喋り出すとどうだろう。「雰囲気ブサイク」と言ったのは誰だったか。まさにそうなのだ。イケメンなのに、ブサイクに見える。だけどそれでも、ただのブサイクでは終わらない。舞台上でボケるタイミングは完璧、ネタも誰から仕込まれているのかと疑う程に知的で品よく最高に面白い。やっぱり中身もイケメンである。
ここまで揃ってダンスが上手いとなれば彼を尊敬せずにはいられない。私は拡輝のダンスが好きだ。彼の重力を操るようななめらかなダンスが好きだ。言わずもがな結婚したい枠である。
【川島如恵留】
正直に言う。のえるのことはこう思っていた。「顔以外完璧な子」。2009年の話。ダンスは飛び抜けて綺麗、アクロバットもすごい、演技も堂々としていて上手い、頭も良い。でも顔が。そう思っていた。だが6年経った今思うこと、それは「のえるは最高にかっこいい」だ。
のえるの笑顔は何にも負けないくらいかっこいい。誰かと比べて良い、と言っているわけではない。全てを超越した最強感を伴っている。客席登場で瞳を覗き込まれながらあの笑顔で手を握られたものは、一瞬にしてのえるに堕ちる。
ほぼ垂直に跳んで返ってくるバック転、群を抜いて綺麗なバレエ振り。Travis Japanのまとめ役を自負し、甲斐甲斐しく働くところも惚れポイントだ。のえるは最強。
【森田美勇人】
小さい頃は黒いもやしみたいだったことしか覚えていない。それが突然身長がでかくなったと思ったら、中身はその身長の10分の1くらいしかなさそうな赤ちゃんだったというオチ。パセリパセリ連発するヘタレ。
それなのに、ダンスを踊らせたら人が変わる。2012年のPLAYZONEの演目「光」。あの美しく長い肢体を綺麗に扱っている子は誰だ、と双眼鏡で覗くと美勇人だった。そんなことが 5、6回あった。今や誰がなんと言おうとTravis Japanのダンスリーダーの風格を漂わせている。
ただしダンスが終わり喋り出すとばかが溢れ出る。「せんたーおぶもりたをみてください!!」このひらがな喋り、一体どこで身に付けたんだ。見ているこちらは負けっぱなしである。くそ~っ!
【七五三掛龍也】
彼には敢えて一言言いたい。「かわいいキャラはゆずれません」…って全然かわいくないわあああ!!
と言いたくなるのも全てはしめのあざと女子力が高いせい。天使になりたいと躊躇いもなく言い放ち再現(?)までしてしまう男子がどこにいる?こいつ…と思いながら気づくとしめかけワールドで泳がされている。だって可愛いのだ。
でも、彼もダンスを踊らせたら人が変わる。ダンスの怪物みたいなのがあれだけ揃ったステージで、体が小さいながらも全くそれを感じさせない力強いダンスは、男としか言いようがない。そして、普段のまじめなコメントでの、一番男らしい回答をするのは彼だと、はっとさせられることも多い。「♪ブスって言ったら殺すから~」と女にしか見えない女装をして踊っていた時以外は。
そして弟組と呼ばれる年少組
【吉澤閑也】
閑也が微糖男子と称されていた女性セブンを見て、静かに拍手を贈った。吉澤閑也はまさに砂糖のようなふんわり男子だと思う。
そんな外見とは裏腹にしっかりした面もある。弟組最年長としてその他の弟組の世話を焼いている姿はまさにお兄ちゃん。そしてダンスは「基本」を大事にしたいという真面目と誠実を絵に描いたような志のとおり、真っ直ぐかつ繊細なイメージ。
ただし、私が閑也を思い浮かべるときに今でも何よりも先に出てきてしまうのは、2013年にシアタークリエで弟組、その時はTravis Jr.の公演をやった際、クイズコーナーで見せた彼のおばかさ加減である。具体的に何の問題になんて答えたか忘れてしまったので何も伝わらないと思うが、えっと、、最年長ですよね?高校生ですよね?と疑いたくなるような珍回答を連発していた。にもかかわらずあまり本人意に介していないようなのがすごい。これこそ閑也ワールドなのかもしれない。
【中村海人】
通称うみんちゅ。かっこいい男を表す沖縄言葉のはずなのに大柄の赤ちゃんを形容した言葉かのように思える、海人ではなく、平仮名でうみんちゅ。たぶんそれは中村海人のキャラクターのせい。
大食い、あほ面、よくわからないけど笑っている。そんなTravis Japanの宇宙人が、いつの間にか天才型の先輩たらしに成長していた。またある時は他担のお姉さんに「かっこいい…」と言わしめるジゴロになっていた。
もともと、スタイルは抜群に良い。成長とともに顔つきも引き締まり、かっこいいのにちょっと抜けてるという黄金比を手に入れた。でも忘れちゃいけない。中身はあのうみんちゅなんだ。現にYOLOのPVでも優馬に向かって意味不明なことばかり言っている。それでも、うみんちゅだけには何もかも許してあげたくなる…ってこれが天才天然のたらしの成せる技なのかもしれない。
【宮近海斗】
少し日本人離れした端正な顔立ちのこの兄ちゃんは、自他共に認めるTravis Japanのすべりリーダーだろう。だいたいすべる。すべりながらしっかりとその場を回し、引っ張っていくというちょっと想像しがたいトークスキルを持っている。
それはダンスにも当てはまる。ダンスのことなどほとんど何も分からない私から見ても、宮近はダンス選抜で集まったTravis Japanの中でさらに一線を画しているのように感じる。かつてサマリーを観に来た五関さんが踊り方が好きな子として宮近を挙げていた。その場にたまたま居合わせた私が意味もなく誇らしかったことは言うまでもない。
それにしてもTravis Japanのボケ担当はどうして端正な顔立ちをしてるんだろう?
【阿部顕嵐】
ドラマや雑誌に引っ張りだこ、ポスト山下智久、イケメン、そんな売り文句が彼の傍らに印字されるようになって大分経つ。すっかり二枚目枠として定着してきた阿部顕嵐。
だけど、私にはどうしても顕嵐がかっこいいとは思えない。だってかわいいかわいいげっ歯類なんだもの…と今でも思っている私だけれど、弟組で誰よりも先に公式写真を買ったのは彼だった。彼のちょっと目が細くなる無邪気な笑顔に心を掴まれたのが2012年の秋のことだ。ちなみにその写真はTravis Japanで一番先に売り切れになった。
そして、私は彼の踊り方が好きだ。自分でも何故か分からないけれど、顕嵐の踊り方が好き。好きすぎて少クラのCANDYを何十回リピったかは分からない。人の心を掴む天才、そしてド天然。私はこれを売り文句にしたい。
【梶山朝日】
そして最後に控えしは、と言いたくなるほどの漢・梶山朝日最年少。とにかく老けている、もとい、大人っぽい。でも、朝日のことをそう言う理由は何も顔だけじゃない。体つきも中学生の頃からそうとは思えない鍛えっぷりだったし、何より中身が、である。
2013年のシアタークリエ公演、最年長閑也がおばかさを大放出しているところでMCを回していたのは、回すだけでなくしっかり収拾をつけていたのは当時中学生の朝日だった。最年少に回され、あまりにもぐだぐだなその他4人、というこの構図が、そのままこの5人の魅力となってしまうのだ。
朝日のかっこよさは恒久的なものだと私は信じている。老若男女に愛される正義の味方は朝日の顔をしているかもしれない。
兄組はかつてJR.Aという名前を貰い2010年から、弟組はそこに加わる形で2012年からPLAYZONEに参加している。私自身は2010年のPLAYZONEをDVDでしか見たことがないので、兄組は2011年からしか見ていないことになる。2011年はA.B.C-Zがいたこともあり、JR.Aはあくまでも優馬付きのJr.という気がしていた。彼ら4人のことは前々から知ってはいたので「ずっと仲間」のかわいさなどはもちろん印象的なのだが。2012年になり弟組5人が加わり、Travis Japanとなった。弟組の5人はそれまで誰のことも知らなかった。誰も。そして2012年のPLAYZONEはインターバルが多く(曲間に長い映像を挟み)間延びした構成だった。初日の客席の反応を見てか、後々改変はされていったのだが、映像の代わりに付け加えられたのはふぉ~ゆ~や翼のコントだった。ただの推測に過ぎない、けれどまだ幼いTravis Japanがそれほど踊り続けられないことを考慮した結果の2012年のPLAYZONEなのかと思っていた。メンバーは当時を振り返って、まだ遊びたい盛り?の弟組をどうまとめるか苦心していたという。
彼らは若い。若さという武器を持っている。夏にPLAYZONEのために青山に集うまで、彼らは色んなところで色んなことを吸収して帰ってくる。背も伸び、体格も変わる。ダンスも変わる。そしてもうひとつ。Travis Japanという舞台ありきで結成したグループという都合上、彼ら9人が夏以外にまとまって仕事をする機会はとても少なかった。その中で、のえるを中心に「自分はTravis Japanである」という帰属意識、誇りとも言えるものを度々口にしてもいたのも彼らだった。グループとして活動していない間に、グループとしての絆を深める不思議な光景だったともいえる。
再び青山劇場に集結した彼らは、持つもの全てを精査なくぶつけてきた。良いものと悪いものを吟味して洗練させる大人と違い、そのままを。グループとしても魅力あるものになっていった。2014年のA・RA・SHIはお互いがアイコンタクトを取り合うTravis Japanにしか出せない雰囲気がふんだんに詰め込まれた演目だったと思う。2012年に、言葉を選ばず言えば足手まといだったかもしれないTravis Japanの成長が、そのままPLAYZONEという作品の成長につながっていた。
2015年青山劇場での最後のPLAYZONE。Travis Japanは「どうなってもいい~It’s BAD」という名曲を任されていた。一部のファンに熱狂的に愛される少し特別な曲とも言えるだろう。メンバーの一人を中央のせりの真ん中に頂き、ステージ上に現れたTravis Japanは何にも喩えることができない、Travis Japanだった。
バラバラでふにゃふにゃだった粒子が固まって結集して、何よりも硬いダイアモンドとして光を放ち出すそんな過程を見たと思った。
彼らはこれからどうなっていくのだろう。これから広がる未来に思いを馳せるとき、にやにやを隠さずに、どうしていられようか。