カウントダウン―最後の贈り物
日本語版でジャニヲタ文芸部さんに参加させて頂きます。
第二回ジャニヲタ文芸部お題発表 - カーテンコール
きっと私には泣く権利がある。きっと。
KAT-TUNは彼の青春だ。そして私にとっても。単に彼のことを好きだから、私は泣くことを許されたくて仕方がないのだ。
彼のことが好きだった。彼の演技が好きだった。彼の外見が好きだった。そして彼がステージに立つその姿勢が好きだった。
私の知る限り、彼はいつも真っ直ぐに背筋を伸ばし、前を真っ直ぐに見据えて舞台に立っていた。その姿は、彼の心に真っ直ぐ通った彼の信念を表しているかのようだった。
彼はかつてアイドルであることを選んだ。そして、アイドルとしての自分の仕事を愛していたのだと思う。私たちが彼のことを愛していたのと同じように。けれど、彼はアイドルであることを運命付けられたわけでは決してない。今、彼はアイドルではなくなることを選んだ。
このことに関して、私がこれ以上何かを言うつもりはない。彼の選択が正しいかどうか、決して知ることはないだろう。けれど、彼は私たちに一つ贈り物をくれたと思っている。それがカウントダウンの期間だ。
きっと、残りの日数が減っていくのを見る時間は辛いものになるだろう。それは本人にとってはきっと、もっともっと辛い時間だ。いつでも100%の演者で居続けようとし続けてきた彼が、この期間に100%でいることはできない。加えて、ファンの悲しみの声、非難の声をたくさんたくさん聞くだろう。それでも、私たちはそれを必要とし、彼はそれを贈ってくれた。私たちはそこにいるはずの彼がいないことを今すぐ受け入れるには、彼のことを愛しすぎている。
カウントダウンは未来のための期間だ。私たちは少なくとも泣くことができる。こんな記事を書くこともできる。それがせめてもの救い。未来を真っ直ぐ見据えて生きていくためには必要な。
彼の決断と、担当の幸大のこととは何の関係もない。でも、どうしても彼のことを考えずにはいられない。その時はいつ来るのか?正直なところ、いつでもその事を考えている。
いつでもパラドックスの中にいるのだ。私は今カウントダウンコンサートで幸大に会えるのをとても楽しみにしている。じっと待っている。でも早く来て欲しいとは思っていない。
コンサートの日を待つ時はいつでも、考える。このカウントダウンは、一体何へのカウントダウンだろう。次のステップへのカウントダウン?それとも最後の日への?
私は幸大が一人になった時、一人になってもステージで立ち続ける決断をしたことを知った時、嬉しかった。でも不安もあった。
きっとカウントダウンをするべきではないのだと思う。彼の笑顔を数えて行けば良いのだ。永遠に数え続けていよう。
でも、もし…もしもその時が来るのなら。私はカウントダウンの期間が欲しい。3、2、1で立ち上がって前を向くから。