咲き誇れ。

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ジャニヲタであることは人生に何かをもたらすか?

同期の先生たちと一緒に遠出をしたとき、その中で至極真面目な先生が独り言かと思うくらいの小さな声で尋ねてきた。

「たまにはこんな休日も良いかもな…。いつも仕事ばかりだけど。先生(私)は休日何をしてますか?」と。

その先生は1つ上の本当に本当に真面目な先生で、ずっと仕事ばかりしていて、ここのところ自分が趣味や余暇の時間を持っていないことで持ってる世界が狭いんじゃないか?と悩みだしたそう。でも、仕事に役立たないことはしたくない。どれだけ真面目なんだと呆れ返るほどだけど、そこがその先生の良いところで好きなところ。

「趣味は仕事の役に立つんでしょうか?」

という問いに私は少し考えた後自信満々にこう返した。

「役に立ちます。」

私の趣味とは、言わずもがなジャニーズである。仕事のストレス発散、とかではない有用性のあるものを、私は得てきたと思っている。

たとえば、滝沢歌舞伎。それまで「歌舞伎」なんていう訳の分からない(と思っていた)ものに全く興味を示さなかった私が、少し興味を持ったのはの「娘道成寺」の演目の、美しい桜色一色で染められた舞台を観たときである。そこでは同じく美しい桜色の衣装を見に纏って太鼓を叩く担当・松本幸大がいたのだからその美しさは尚更のこと。そこから歌舞伎の入門本を購入して、この桜色の舞台は本当の歌舞伎の舞台と同じであることを知った。また、ふぉーゆーが大活躍した浜松屋、小さいかわいいみずきくんなんかの見せどころが「白浪五人男」の有名な名台詞だと知って、歌舞伎から生まれた名言の本も買い、隅々まで読んでみた。

これが役立ったのが学校行事の歌舞伎教室。浅すぎる知識ではあったものの、どうにかそれらをかき集めて、そして英語に直して、ここぞとばかりに歌舞伎を英語で紹介する、なんて授業をやってみた。もともと舞台機構の名称や上下、花道なんてものは感覚で知っていたのは大きかったとも思う。

もう1つ大きかったのは、ジャニーズを通して日本人以外の友人と話すことができたこと。特にまたこれも「滝沢演舞城」であるけれど、劇中の台詞の日→英訳を少しだけやらせてもらったとき、色んなことに気づかされた。日本語には、意識しないと気づかない日本の文化がたくさん染み込んでいて、それを全て英語に訳すことはできないんだということ。たとえば、滝沢座長登場前のお馴染みの台詞「さてここに控えしは」。控える、とは一体どういうことだろう?ただ「居る=be」では説明がつかない多くのものを背負って座長はそこに控えているんじゃあないか?じゃあそれを、100%訳すのは無理でもできうる限り英語に表すには、どうすれば良いのか?その時に日本人として自分が生まれながらに持ってる感覚を全て掘り起こす作業が必要な気がして、気が遠くなった。でも同時に、なんて面白いんだろうとワクワクした。

英語ができれば、世界中の人と話すことができる。英語を知ることによって自国の言葉と自国の文化をもっともっと知ることができる。それは自分自身を知ることだし、アイデンティティを確立することに繋がる。

それを肌で感じたことには、英語を教えるという仕事に対する姿勢を根本的に変えた。

そもそも、私が転職をしたきっかけ。もともと教育業界にいたのだから特別珍しい転職ではないのだけど、第一線の現場で働きたい!と思ったきっかけは「先生はエライっ!」という中島裕翔やら山田涼介やらが出演していたしがないドラマである。

ドラマの内容も詳細な台詞もほとんど忘れたけれど、強烈に私の背中を押したのが、色々色々あった後に裕翔が教師役のユースケサンタマリアに電話ボックスで電話をかけ、「僕、勉強するよ」という旨のことを言うシーン。

大部分を忘れたのでいまいち説明できないけれど、とにかく色々あった後に1つ成長した生徒が、葛藤の末たどり着いた答えが「素直に努力すること」だったことにひどく感動して、そんな生徒の側でできる限りのことをする仕事に就きたいと思ったのだった。

さらには最後の一押しとなったのは(自分では)信じられないことに赤西仁の帰国と彼のパフォーマンスだ。KAT-TUNコンで仁とクリスタル・ケイのWonderを聴いたとき、理屈抜きでかっこいいと思った。曲がりなりにも日本と世界のどこかの架け橋になっている彼らに強烈に憧れたし、英語に触れたい、英語を使いたい!その楽しさをみんなと共有したい!と沸々と沸き上がるものを感じていた。

最後に、教師は教壇という小さなステージの上では俳優だと思えと言われたことがある。生徒の目を惹き付け、いかに記憶に残るパフォーマンスをするか。残念ながら私の実力不足で全く実行できてはいないけれど、舞台上での振る舞い方、目線の配り方、発声の仕方…演者の一挙手一投足が全て勉強になることは確か。

色々書き連ねてみたけれど、大部分が一体何を大真面目にと、一笑に付される内容だろうとは思う。 でも、私の人生を少しずつでも動かしてきた存在がジャニーズだったことは否定できない。

ただ、結局のところ全力でもって何かを好きでいること、何かに取り組むことはおしなべて、多くのものを人生に与えてくれるんだろうな、とは思う。ジャニーズに限らず、それが何であれ。たまたま私の場合はそれがジャニーズだったというだけ。